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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 页
一定の社会に於ける労働手段体制に一定の労働力技能が対応すると云っても、夫は単にそうに相違ないという結果を一口にそう云い表わして了ったまでで、実際には技能と労働手段体制との間に絶えざる交互作用が実在するのであって、例えば技能の社会的平均水準(技能水準)を標準にしなければトラクターの運転台の設計一つ出来はしない。処がこの技能水準を客観的な形に直して量って見せる尺度が社会の技術水準なのである。
労働手段と技能との間の実際的な交互作用は、いつもこの技術水準という云わば一種の技術的等価物に換算されることによって初めて行なわれる。
マルクスは技術と技術学(テヒノロギー)を殆んど同義に使っているように見える場合もあるが、両者は科学的には区別されねばならぬ。尤も、技術に関する学問が必ずしも技術学だとは云えないのであり、従って技術学の対象がすぐ様技術だとばかりも云えないので、技術に関する研究は必ずしもテヒノロギーではなく、例えば経済学でもあるし社会学でもあるかも知れない。それからマルクスは『経済学批判序説』で、各々の生産部門の生産の研究をテヒノロギーと呼んで、之を生産一般乃至一般的生産の研究としての経済学から区別してもいる(相川氏がマルクスの「テヒノロギー」