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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
菊池寛『日本合戦譚』。同一底本的分册已合并为一书。收入:姉川合戦、厳島合戦、川中島合戦、田原坂合戦、長篠合戦、賤ヶ岳合戦、碧蹄館の戦、島原の乱、山崎合戦、鳥羽伏見の戦、大阪夏之陣、真田幸村、応仁の乱、四条畷の戦、小田原陣。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,771 字 · 313 页
第三軍は、村上、来島等の海軍を以て組織し、厳島の対岸を警備し、場合に依ては、陶の水軍と合戦を試みんとするものだ。
元就が鼓の浦へ上陸しようとする時、雨が頻りに降ったので、輸送指揮官の児玉就忠が、元就に唐傘をさしかけようとしたので、元就は拳を以て之を払除けた。
陶の方は、塔の岡を本陣としたが、諸軍勢は、厳島の神社附近の地に散在し、其の間に何等の統制が無かったらしい。之より先弘中三河守は陶に早く宮尾城を攻略すべき事を進言したけれども、陶用いず、城攻めは、十月朔日に定まっていた。その朔日の早暁に、元就が殺到したわけである。
元就は鼓の浦へ着くと、乗っていた兵船を尽く二十日市へ漕ぎ帰らしめた。正に生還を期せぬ背水の陣である。吉川元春は先陣となって、えいえい声を掛けて坂を上るに、其声自ら鬨の声になって、陶の本陣塔の岡へ殺到した。
陶方も毛利軍の夜襲と知って、諸方より本陣へ馳せ集って防戦に努めたが、俄かに馳せ集った大軍であるから、配備は滅茶苦茶で、兵は多く土地は狭く、駈引自由ならざるところに、元就の諸将、揉みに揉んで攻めつけたから、陶軍早くも浮足たった。
かねて打合せてあった小早川隆景の軍隊は、本軍の鬨の声を聞くと、これも亦大喊声をあげて前面から攻撃した。