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にっき

日記

宮本 百合子

30 一九四七年(昭和二十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,669 字 · 24 页

青空文庫

又ゆっくりかくと、スタンダールは、自分の何に足をとられると思ったのだろう? (アンリ・ブリュラール風のものにか?)

上巻、ワータールーの最後の日の敗走の描写、ファブリスのすべて情況のわからない立場からよく描けている。リアルに。近代的に。

○モスカ伯と恋仲になってからピエトラネーラ夫人がサンセヴェリイナ公の夫人となり、パルムの小宮廷の陰謀だのファブリスの冒険何だのになって来ると、スタンダールがさっさと書いたのもわかるようだ。デュマにならないために。

p. 212「彼が(ファブリス)ミラノのエスイタ派で教育された該宗教の注目すべき特徴で」「不慣れな事柄を考える気力を殺ぎ殊に、個人的検討を、諸罪のうちの最悪のものとして禁じている。これは新教主義への第一歩である。それがいかなる点で有罪であるかを知るには、司教に質問するか、それとも『贖罪の聖化準備』と題する書物の中にある諸罪目録をよむかしなければならない」

p. 143 ○ファブリスがロマニアへ追放されている間にぜひ守らなければならない四ヵ条というのを(ボルダ司教会員のつたえるところによる)よむと、余り日本の思想善導にそっくりである、保護観察所の希望と一致しているのでびっくりもし失笑を禁じ得ない。