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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页
そこで、みんなで手わけして、各部屋をさがしてまわった。
すると、おどろくべきものを発見した。
二階の奥の居間に、はなやかな女の蒲団が二つしいてあるのを見つけた。たしかに人がねている形だったが、蒲団をあたまからかぶっている。それがおかしいというので、みんなして蒲団をめくってみたら、中には白骨がねていた。骨がばらばらになっているが、たしかにどっちも一人分の白骨がねていたのである。
さあ、みんなびっくり仰天、にげ出す者もあれば、その場で腰をぬかす者もあった。そうして、ほうほうのていで、時計屋敷からにげだしたのであった。
古い話は、まずこれだけである。それ以来この時計屋敷は、極度にこわがられ、そして荒れるにまかされていた。村人でなくても、こんなおそろしい因縁ばなしを聞けば、だれだって時計屋敷へ近よるのはやめるだろう。
恐れる人、恐れぬ人
だが、世の中は、このところ、たいへんかわった。
そのわけは、住宅難のこと、資材難のこと、物価がたいへん高くなったことなどのために、戦災で焼けのこったありとあらゆるものが、新しい目で見直されることだった。
この左内村に対しても、県から達示があって、「家のないたくさんの戦災者のために、なんとかして住める部屋をできるだけたくさん探して報告せよ。