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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页
無我夢中とは、このときの八木少年のことだった。
迫るこの時計屋敷の爆発時刻、間にあわなければ自分ももろともに屋敷の瓦礫の下におしつぶされてしまうのだ。しかしもしも間にあって、あの大時計をとめることができればたくさんの人の生命を救い、そしてこの大きな古い由緒ある建物をまもることができるのだ。八木少年は、爆発を今とめることのできるのは自分だけであると思い、一所けんめいに階段をかけあがり、扉の錠をはずして又階段をあがり、又新しい扉にぶつかっていった。
大時計の下に出ることができたときは、うれしく涙が出た。
その涙をはらいおとして、八木少年は、大時計のゆらりゆらりと動いている大きな振子に抱きついて、両足をつっぱった。
大時計は、ぎいッと音をたて、歯車はごとんと停った。
その時、大時計の針は、鉦を四つ鳴らすちょうどその一分前のところを指していた。
「やあ、八木君だ」
「ほんとだ、八木君が時計の振子にぶら下っている」
さっき八木君が階段をがたがたと踏みならしてかけあがっていったそのあらあらしい音を、実験室にいた四少年は聞きつけて、とび出して来たのだった。
「ああ、うまく会えたね。