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むらからのむすめ

村からの娘

宮本 百合子

「文化集団」1935(昭和10)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,485 字 · 9 页

青空文庫

もし愛国婦人会や矯風会が本当にそういう事を防止するために一般婦人の力を糾合するのであるなら、それらの婦人に先ず第一、小作制度の本質をつきとめさせ、農民の負うている負債の性質について実際を理解させなければならないのであろう。そのような根本的な点にふれぬために現代の社会機構について知識のうすい婦人の層を動員しての身売防止運動であることは、既にしれわたった事実であると思われる。却って、このことがきっかけとなって、友松円諦のような者や、農村自力更正修養団の思想やがはいりこむことも予想される。

この間、プロレタリア作家の徳永直と、これはプロレタリア短歌を専門とする渡辺順三とが、東北飢饉地方を見学に行った。私は断片的にではあるがいろいろ感銘のふかい話を聞いたが、その中で特に心に銘じたことが一つあった。それはあちらに行って実際に見れば、よきにつけあしきにつけ東京にいて聞きしにまさる有様だが、同じ稗を食っている村の農民でも、そこに農民組合のあるところとないところでは、若い農民はもとよりのこと、老人連でさえ全く元気が違う。同じ稗と木の実、松の皮を食いつつ組合のあるところの村の農民は、顔色までいくらかましであるので、非常に考えさせられ、感動したという話なのである。