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じゅうどうとけんとうのころがりじあい
柔道と拳闘の転がり試合
富田 常雄
「少年倶楽部」講談社、1935(昭和10)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,666 字 · 8 页
意外! ごろりと横に……
富田六段とモンクスがしっかと握手した。左右七メートルへだててぱッと飛びのいた。その瞬間に、勇ましい試合開始の鐘!
モンクスは猛然、突進してきた。
一メートル五十五の日本人に、一メートル八十二の雲をつくようなアメリカ人、一撃でふっ飛ぶか? 危うし!
意外! ごろりと横に……
このとき早く富田六段は、ごろりと寝ころんでしまった。まるで昼寝でもするように板の間にあおむけに寝てにこにこ笑っている。モンクスの方へ向けた足を組んで、それこそ鼻歌でも歌いそうに、頭の下に両手を組んで寝ているのだ。
驚いたのはモンクスだった。敵の上半身をねらってただ一撃と思いきや、相手は寝てしまったんだ。拍子抜けがして、ぼんやりしてしまった。
富田六段はにこにこ笑っている。モンクスはおこった。
「立て!」
「柔道は寝ていてもよろしい。」
富田六段は英語でいってのけた。
これでは突けない。打てない。モンクスはまっかになっておこると、富田六段の頭へ一撃をくらわせようと、まわりだした。すると富田六段は、背中を心棒にしてくるくるまわり、けっして頭の方へこさせない。そのからだの動かしようのす速さといったらない。