轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

05 第五部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 页

青空文庫

道江は、二人の話を心配そうにきいているだけで、ひとことも口をきかなかった。しかし、いよいよわかれる時になると、遠慮ぶかそうに次郎に言った。

「次郎さんは、今でもやっぱりどこかに一途なところがあるのね。どんなわけだか知らないけれど、短気をおこさないでくださいよ。何ていったって、次郎さんは朝倉先生のおそばにいらっしやるのが一ばんいいと、あたし思うわ。」

次郎は、そっぽを向きながら、悲しいような、腹だたしいような気持ちで、それをきいていた。返事はむろんしなかった。そして、二人にわかれて、自分の室にかえると、机の前にすわりこんで、いつまでも動かなかった。

塾生たちの大多数は、時間ぎりぎりに帰って来た。早めに帰って来たものは一人もなく、中には夕食に間にあわなかったものも幾人かあったので、ちょっと心配されたが、それでも食卓をかたづけるころまでには、どうなり全部の顔がそろった。

入浴は、みんなの帰りがおそかったので、夕食後になり、一時に殺到したため、かなりこんだ。しかし、大河のおかげで、予期しなかった入浴ができたのを、みんなは心から喜んだ。かれらにとっては、大河は、最初の朝の板木一件以来、いわば、いい意味での一種の変人であり、何かしら人の意表に出るような親切をやって喜ぶ性質の人であった。