轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
05 第五部
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 页
黒眼鏡をかけた荒田老の表情はほとんどわからなかった。ただ気のせいか、そのでっぷりとふとったきずだらけの顔が、いつもよりいくぶん赤味をおびているように見えただけだった。
しかし、小関氏の表情はたしかに普通ではなかった。骨にぴったりとくっついたような、青白い、つるつるに光った顔面筋肉が、唇を中心にびりびりとふるえており、その眼は塾生たちのほうを見つめて凍ったように動かなかったのである。
次郎は二人を見た眼を転じて、朝倉先生と夫人の顔をのぞいた。先生のほうはべつに変わった顔もしていなかったが、夫人はさすがに緊張していた。先生はしばらくして小関氏に言った。
「では、夕食まで私の室でお休みいただきましょうか。それまでは、私たちは、べつに用もなさそうですし。」
小関氏はそれには答えないで、ちょっと荒田老の顔を見たあと、詰問するように言った。
「こういう計画はあなたがおたてになったんですか。」
「いいえ、塾生たちに考えてもらったんです。ここでは、なるだけ塾生たちの創意を生かす方針でやっているものですから。」
「なるほど。すると、あなたもこういう計画だということは、今はじめておわかりになったんですね。