轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
在线阅读三遊亭 金馬《江戸前の釣り(えどまえのつり)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,910 字 · 214 页
といって手舟の時の外はこの舟宿ときめていた。
そんなことを聞き覚えている僕は、今でも神田川から出る時は何処、品川は何屋、洲崎は誰と舟宿を決めてあまり浮気をしない。たまたま釣り会に誘われて他の舟宿から出ても、沖で行きつけの船頭に逢っても悪いようで面目ないような気持ちになる。神田川の船頭で「師匠たまには私の家からも出てくださいよ」といわれたが、「僕は長年何屋から出ているので、あいつが生きているうちは、他の舟宿から出られねえんだよ」というと、「有難てえ、そうしてやっておくんなさい。この頃そんな客が少なくなりましたよ」といって自分の家へ来ない客に礼をいった昔気質の生き残り船頭もいる。
今の若い釣り人はそんなうるさいことにこだわっていない。昨日は東、今日は西、足の向くまま気の向くまま。それこそ股旅者の旅鴉といいたい位だ。行きつけの舟宿へ行く時間に遅れたので御舟蔵といった安宅の餌屋河岸まで円タクをとばして馴染みの船頭の来るのを待っていて、「遅れてしまって済まねえが、ここから乗せてくれよ」と乗る人は他で見ていても微笑ましい好い気持ちのものだが、中には餌屋の河岸に立っていて餌を買いに来る乗合舟を見較べて、客の少ない舟を見て乗る気丈夫な達者な釣り人もいる。