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えどまえのつり

江戸前の釣り

三遊亭 金馬

在线阅读三遊亭 金馬《江戸前の釣り(えどまえのつり)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,910 字 · 214 页

青空文庫

江戸特有のタナゴ釣り〈二月〉

釣りあげたワカサギは、自分の指より細くて白い。見た目にもきれいで上品、食べておいしい。釣った魚を氷の上に放っておくと、すぐに冷凍になってしまう。徳川時代の将軍がこの魚を賞味したので、「公魚」と書くという。

しばらく釣っていると穴に薄氷が張るので、家から灰ふるいを持って行って、それで氷をすくい取る。その灰ふるいを手あぶりにかけて、釣ったワカサギを焼き、これもヤキジューにして食べる。待合の二階で食べる料理より野趣があって、実にうまい。

持ち帰ったワカサギは、串に刺して天ぷらかフライにし、レモン汁をかけて熱いうちに味塩で食べる。

江戸特有のタナゴ釣り〈二月〉

すべてのものに遺伝という言葉が使えるとしたら、ぼくの魚釣りなども、りっぱに遺伝といえるかもしれない。

明治の初期、水場の本所に住んでいた職人のおやじは、三度のめしより魚釣りが好きで、釣りに行く前の晩には、自分で弁当をこしらえていた。朝早くから、おふくろに手数をかけさせまいとの心づかいだったが、その弁当を忘れて出かけてしまう。

ぼくを連れて釣り場へ行っても、昼めしを忘れていたことがある。「腹が減ったよ」