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ほうそうやわ
法窓夜話
穂積 陳重
02 法窓夜話
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,325 字 · 264 页
といい、また「晋刑法志」に「五帝象を画いて民禁を知る」とあるなどは、皆刑罰の絵を宮門の双闕その他の場所に掲げて人民を警めたことを指すもので、これに依っても古聖王が法を朦昧の人民に布き、これを法治生活に導くのに如何に苦心したかを想像することが出来る。
我国において、絵画に依って法禁を公示したのは、彼の智慧伊豆と称せられた松平伊豆守信綱である。将軍家綱の時、明暦三年、江戸に未曾有の大火があって、死者の数が十万八千余人の多きに達したので、火災後、火の元取締の法は一般に非常に厳重になった。「信綱記」に依れば、伊豆守の家中においても、番所にて「たばこ」を呑むことを堅く禁じたが、或日土蔵番の者が窃に鮑殻に火を入れて来て「たばこ」を呑み、番所の畳を少し焦した事がある。伊豆守は目付の者の訴に依ってこれを知り、大いに怒って直ちにその者を斬罪に申付けたが、その後ち思案して、吉利支丹の目明し右衛門作という油絵を上手に画く者に命じて、火を盗み「たばこ」を呑んで畳を焼いたところと、その者の刑に処せられているところとを板に描かせて、これを邸内の人通りの多い所に立て置き、これを諸人の見せしめとした。