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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
「はっ、しかし重大事件でございますので。――分隊長フランク大尉が、只今機関部で、ピストルを乱射いたしておるそうであります。当直将校からの報告であります」
「なに、フランクがピストルを乱射しているって。誰を撃ったのか」
「さあ、それについてはまだ報告がありません。なにしろ第四エンジン室内の電灯は消え、銃声ばかりがはげしく鳴っておりますそうでして――」
「ええっ、――」
ときもとき、日本潜水艦の追跡をうけている最中だというのに、突如として飛行島内に起ったフランク大尉の暴挙!
リット少将は蒼白となって、傍の椅子にくずれかかるように身をなげた。
電灯の消えた第四エンジン室の暗闇中では、そもいかなる椿事がひきおこされているのであろうか。
フイリッピン人カラモを装う川上機関大尉の安否は、果して如何?
エンジン室の乱闘
試運転中の飛行島の艦側に、暗夜の出来事とはいえ、あろうことかあるまいことか、仮想敵国の日本の潜水艦ホの十三号が、皮肉な護衛をしていたのに誰も気がつかなかったと聞くさえ腹が立つところへ、今また、あれだけ注意を与えておいたのに、機関大尉フランクが、大事な第四エンジン室でピストルを撃って暴れているという。