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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
すると艦長はおちついた口調で、
(よろしい。いつでもやって来たまえ)
とこたえられた。
大尉は大いに楽な気持で艦長のもとをたずねたのであるが、扉を開けてみると、艦長は形を崩しもせず、厳然と事務机に向かっていられるのである。
大尉は、艦長と一杯のむつもりで、片手に日本酒の一升壜をぶらさげているのであった。
「さあ、こっちへ入りたまえ」
艦長は、しずかにこたえた。
「はっ、――」
と大尉は嬉しそうな顔をしたものの、まだ具合がわるいのか、
「ありがとうございますが、私、ちょっと出直してまいります」
一升壜を置いて出直してこようと思った。
「まあ、いいじゃないか。今夜はばかに遠慮しとるじゃないか。さあ、入れ。久しぶりで気焔をきかせて貰うかな」
艦長は笑いながら、腰かけから悠然と立つと、机のところを離れて、室の隅にある籐椅子の方へ歩いていった。
「はあ、失礼します」
長谷部大尉は思いきって、籐椅子の一つに腰をおろして、一升壜を卓子の上に置いた。
「ほほう、相変らず仲のよい友達を連れているね」
艦長はにこりとされた。
「ははっ、――」大尉は坊主刈の頭へちょっと手をもっていって、