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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
私の国の専門家がそういったのです」
「なにをインチキというのだ。いいたまえ。私は建設団長として、貴君の説明を要求する」
「では――」とハバノフ氏は大熊のように落着きはらって、
「さしあたり飛行甲板のことですよ」
「飛行甲板がどうしたというんです」
「そう貴官のように怒っては困る。まあ私のいうことをおききなさい。いいですかね。飛行甲板から重爆がとびだすのに、滑走路が短すぎるから、甲板は戦車の無限軌道式になっていて、そいつは飛行機のとびだす方向と逆に動くとかいいましたね」
「そのとおりです」
「いやそれがインチキだというのです。甲板が無限軌道で後方へ動いても、飛行機の翼はそのために前方から空気の圧力を余計に受けるわけではない。だから、とびだしやすくはならないというのです。結局そんなものがあってもなくても同じことだ。インチキだという証明は、これでも十分だというのです。さあどうですか」
「なあんだ、そんなことですか。それは一を知って二を知らぬからのことです。後方に動く無限軌道の甲板は十分役に立ちます。停っている飛行機が、出発を始めたからといって、摩擦やエンジンの性能上すぐ全速力を出せるものではありません。