轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ねこはち
猫八
岩野 泡鳴
「大阪毎日新聞」1918(大正7)年9月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,513 字 · 39 页
と、主人は言葉を進めた、「彼はいくらかまた得意にさえなった。けれども、虎だから、台辞を言うことがないので稽古にも出る必要がない。その日を利用して子供は上野の動物園へ行ってくれろと言うのを幸い、じゃア近ごろ評判の河馬でも見せてやろうかと言って、その実、自分は虎の様子をでも研究してくるつもりになった。すると、途中、電車のうちである劇評家に出会い、どこへ行くのだと尋ねられたので、じつは、子供に大評判の河馬を見せに動物園までと答えたが、機敏な劇評家からそりゃア嘘だろう、もう聴いてるよ、じつは虎だろうと目星をさされた」
「そういうところにも一種の悲哀は出ています」と、天神さまが言った。
「………」猫八は悲哀という言葉を聴いて、今さらのように目を見張った。ますます自分のことでも作り換えて、うがってあるように思えたからである。右の手を畳に突いて、左りの手を膝の上にある畳んだ手拭いの上に置いてたのだが、人情というものは誰れが感じても結局こう同じところに落ちるのかと感心して、その横坐わりのままあたまを少し後ろへ反らせて「なるほど! わたくしのような無学のものには小説なんかはいい加減に作り事を書いて、うそ八百を並べてあるものと思っておりましたが、――もっともこれはお歴々の先生方には初めから失礼であったかもしれませんが――今伺っ