轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ねこはち
猫八
岩野 泡鳴
「大阪毎日新聞」1918(大正7)年9月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,513 字 · 39 页
「僕もそれがいいと思う」と、近眼が賛成した。
「しかし、わたくしのいのちは高座のうえからお客をばかにしてみせるところにあるのです」
「そりゃそうだ、ね」高見さんは両の膝を両手で抱いていながら、こちらの味方らしく言った。「この人の臨機応変の皮肉や冷かしと来たら、ずいぶん痛快ですよ」
「その代り、こちらもまたあるところまで行くていと、妥協や譲歩をしておきます、な。螢や疝気の虫を啼いてみせることもございます。どうせ啼く物でないから、どういう風にでもかまわないわけでげすが」と、それからきッとした見えになり、「おめえさんもずいぶんわからねい、な、疝気の虫が啼けるかい? それが不満足なら、どうせ、もう木戸銭は取ってあるのだから、とッとと帰ってもいいぞ――これだけではあまり殺風景になりますから、最後には向うにも花を持たせまして――だが、おめえさんだッても途中から帰りたくはなかろう。おいらもじつは帰したくねいんだ――てなことにしてしまいます」
「それも一種の落ちだろうか、ね?」近眼が笑いながらの問いであった。
「やはり、一種の結論でしょう、な」これは猫八には先に虎のお終いでちょッと言い損ないをしたと思えた、その取り返しのつもりであった。