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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
11 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 页
細いの一尺五十銭、やや太いの七十銭。六尺五寸ずつ(たった二組ずつのためです)それが七円八十銭かでしょう? これですもの。
立売りは面白い現象です、アホートヌイ・リャード[自注8]に一杯立売りが並んでいてね、塩づけ胡瓜、卵、キャベジ、肉、殆ど何でも売って居りました。胡瓜なんかの価をきくときはパ・チョム? の方を使って、スコーリコとはきかないのね、スコーリコはもっとまとまったもので、百グラム何銭にいくらというような食品なんかみんなパ・チョムでした。それが一九二九年の十二月、西からかえったら[自注9]、一人もいなくなっていました。全くあのときはホホーと思ったものでした。
夕方になったら冷えて来て、わたしの鼻の中が妙に痛くなって来ました。薄ら寒いのよ。これは風邪の下地です。もう五時四十五分ですからわたしも夕飯こしらえて、たべて暖くして早く横になりましょう。咲は火曜日にはどうしても帰るのですって。そしたら又わたしの司厨長よ。ですから風邪は迷惑です。
これから台所へゆきます、何をたべましょうね、有っての思案ではなくて無くての思案よ。忽然として天に声あり、エレミヤのラッパのように鳴ります、「カロリー。