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げんだいのふじんにつぐ
現代の婦人に告ぐ
大隈 重信
「大觀 第一卷第四號」大觀社、1918(大正7)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,854 字 · 25 页
婦人には最も大なる任務がある。妊娠がそれである。男女共力して小供を作るというけれども、婦人の妊娠に当って、男子にはなんら肉体上の苦痛を伴わぬ。婦人はやがて烈しき産痛の後に分娩すれば、生児に乳を哺ませる。小便をさせる。始終汚れた襁褓を取り換えてやらなければならぬ。むずかる、夜泣きをする、すれば夜の目も合わさずに介抱し劬ってやらねばならぬ。その手数その心労は尋常のことでない。而してこの様な苦痛は一切男子の与り知らぬところである。しかしながら女子が一方にかくの如き至大の任務を尽すについて、男子にもこれに対する一の任務がある。それは言うまでもなくこの妻児を養うことである。婦人は生児に乳を与えるから食量が平日に二倍する。且つ食物が十分滋養分に富まなければそれが乳に作用し、直ちに生児の体質に影響するから、平生よりも美食を取らなければならぬ。従って等しく妻児を養うといっても、それに要する費用は従来に倍する。それだけ男子は従来よりも多く外に活動して生活費を得て来なければならぬ。この任務もまた甚だ容易ならぬものであって、終に自然に男女両性の分業が萌芽し来る。かくの如きは、近世に始まったことでなく、人類の発達時代からして然るものである。