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げんだいのふじんにつぐ
現代の婦人に告ぐ
大隈 重信
「大觀 第一卷第四號」大觀社、1918(大正7)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,854 字 · 25 页
二 愛は百行の本なり
換言すれば、現存する吾人の事業の一切は、ことごとく進化の理法に依って開展し来れる祖先の事業の集積なんである。我輩は保守を厭う。勿論進歩を愛するけれども、上述の如く水に漂う蓴菜の一葉も、これを引けば千根万根錯綜して至るにも似たる長き連鎖の中に在るものであるから、およそ如何なる制度、文物、倫理、道徳、風俗、習慣というの類といえども、その由って来るところを密にして、現在並びに将来に於ける利害得失を究めて、然る後に徐にその向うところを定めなければならぬ。然らずんば形こそ急激なる革新であっても、その革新の進歩ならずして、往々退歩なるべきことを免れぬ。我輩は特に、人類に至重至要なる男女関係についてこれを言う。
二 愛は百行の本なり
古来東洋では孝は百行の本なりというが、これはあえて誤れりとはせぬけれども、なお説いて詳らかならざるものがある。何となれば、孝とは子の親に対する道である。然らばこの親子の関係は、如何にして生じたかというに、それに先だってまず夫婦なる関係が存在せなければならぬ。夫婦の愛の結晶が即ち小供である。この夫婦が即ち父母であって、その間に生れた小供は即ち父母の間の濃厚なる愛の結晶なのである。