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げんだいのふじんにつぐ
現代の婦人に告ぐ
大隈 重信
「大觀 第一卷第四號」大觀社、1918(大正7)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,854 字 · 25 页
婦人問題の未解決に残る間は、個人主義も、社会主義も、はたいわゆる社会本位主義も真の解決を得ることは出来ぬ。従って一切の政治問題も、教育問題も、社会問題も、解決することは出来ぬ。婦人問題はすべての問題の基礎であって、基礎を固めずんば以て殿堂を造る能わず。殿堂を造るも一風一雨に直ちに崩壊し了るを免れぬ。誠に大切な問題である。然るに何故にこの問題を措いて顧みぬか。ここに世界の人類の大謬が存している。而かもこの問題を解決することは、さまでに困難でなく、指針は希伯来に現れたる耶蘇基督なる天才が吾人に明示している。即ち神意を仮りて吾人に一夫一婦制を説き、「神は愛なり」と熱叫して、人類のために長く紛糾せる困難なる問題を解決し尽しているではないか。吾人はただこの意義を宗教的でなく、別に理智に照らして大自覚を開き、その上に堅固なる信念を築けば宜しいのである。然らば百千の妖説魔語も何かせん。これについてはもとより男子の自覚も必要であるが、婦人自らの自覚が更に更に大切である。瞑目沈思して、夢にも世のいわゆる新婦人などいうものになってはいかぬ。今頃自然生活などと称し、無検束なる獣的自由などを慕っては、これを基督より見せしめたなら、なんといって長嘆大息するで有ろうか。