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しょうがいのかきね
生涯の垣根
室生 犀星
「新潮」1953(昭和28)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,267 字 · 22 页
何とかして民さんにしごとを出すものが、見つからないかと捜して歩くのだ、庭というものはぐるぐる廻っていれば、やり直すところ、向きをかえる物、鋏を入れるものなぞが、自然にわかって来る、しかし相当な手間代になるような仕事は、どこにも見つからなかった。しばらくして彼は縁側に腰をおろして茫然と庭を眺めた。そしてやっと、彼はかなり大きな仕事であり彼にもちょっとこれには手を出すと困るようなものを、見つけた。僅かな印税でくらしている彼には、かなりに重荷になるものだが、どうしても、これはやりかえなければならないものであった。彼は老職人の村さんとお三時の時にいった。
「垣根をそっくり代えよう。」
村さんは驚いてまだあの垣根は三年くらいにしかならないのに、代えなくともよいのにといった。彼はいった。君と民さんと二人でこの仕事をやってくれまいか、外の職人をつかうならこの仕事はやらないつもりだ、二人で仲善く、君はあの人をたすけるつもりで遣ってほしいのだ、昔、この庭を作った男が鉄屑を拾って歩いていると聞くと、この仕事を出して、ほっとさせてやりたいのだと彼はいった。
「つまり僕はもう一遍あの男に庭ではたらいてもらいたいのだ、あの男がうろうろ動いているのが見たいんだ。