轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぎわく

疑惑

江戸川 乱歩

「写真報知」報知新聞社、1925(大正14)年9月15日、25日、10月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,308 字 · 37 页

青空文庫

たれだって疑えば疑えるのだ。母親でも、兄でも、妹でも、またおれ自身でも、みんなが親父には恨を抱いていたのだ。そして、恐らくみんなが親父の死を願っていたのだ」

「君のいい方は、あんまりひどい。君や兄さんは兎も角、お母さんまでが、長年つれ添った夫の死を願っているなんて、どんなにひどい人だったか知らないが、肉親の情というものはそうしたものじゃないと思う。君にしたって、お父さんがなくなった今では、やっぱり悲しいはずだ……」

「それが、おれの場合は例外なんだ。ちっとも悲しくないんだ。母にしろ、兄にしろ、妹にしろ、たれ一人悲しんでやしないんだ。非常に恥しいことだが、実際だ。悲しむよりも恐れているのだ。自分達の肉親から、夫殺しなり親殺しなりの、重罪人を出さねばならぬことを恐れているのだ。外の事を考える余裕なんかはないのだ」

「その点は、本当に同情するけれど、……」

「だが、兇器は見つかったけれど、下手人がだれであるかは少しも分らない。やっぱり真暗だ。おれは斧を元の通り土に埋めておいて、屋根伝いに自分の部屋へ帰った。それから一晩中、まんじりともしなかった。さまざまな幻が、モヤモヤと目先に現れるのだ。