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しろいくも

白い雲

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,755 字 · 16 页

青空文庫

だが、それを知らずに、後から、後から、ほかのトロッコは、唄など歌いながら、走ってくるのです。

あわてて、若者は両手を高く上げて叫びました。

「だっせんだぞう。」

すると、いくつかのトロッコは、ぴたりと止まってしまいました。

「あいつ、生意気だから罰が当たったんだね。」と、義ちゃんが、いいました。

若者は、まったく子供たちの方に気を取られて、自身の注意を怠ったためでした。そこで、いっしょうけんめいになって、脱線した車を直そうとしたけれど、とうてい二人の力ではだめでありました。しかし、仲間はそれと悟ると、すぐに車から飛び降りて、トロッコの脱線した場所へ集まってきました。そして、力を協せて、やっと重い車をもとの位置にもどすことができたのです。

トロッコは、ふたたび、レールの上を快く走りはじめました。

「万歳!」と、武ちゃんと、敏ちゃんは、手をできるだけ上げて、叫びました。おそらく、二人の若者は、その声を聞いたであろうけれど、自分の意地悪さを心に恥じたのか、こちらを見ずにいってしまいました。

「もう、帰ろうよ。」

「今度は、あのいいおじさんだって、きっとしかるから。