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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
この果物がどんな不思議な働を致しますかという事は、直きに貴方にもお目にかける事が出来ましょう。そうしたら貴方もこの婆の申し上げる事が、嘘でないと思し召すで御座いましょう」
と申しました。
この婆さんの落ち付いた話ぶりには、流石の紅矢もすっかり引き込まれてしまいました――
「何。それは本当かえ。私の家にはそんな恐ろしい災が降りかかろうとしているのかえ。どうしてそれがわかるの、お婆さん。教えておくれ」
と急き込んで尋ねました。
十四 果物の占い
するとお婆さんはうしろから覗き込んでいる紅矢の顔を、黒い覆面の下からそっと見返りながら申しました。
「そんなにお騒ぎにならなくとも大丈夫で御座います。災というものは前からわかっていれば、誰でも免れる事が出来るもので御座います。けれども貴方のお家の災がどんな災か、はっきり前からわかるためには、妾はまだもっと貴方のお家の中の事に就いて、お尋ね申し上げねばならぬ事が御座います。貴方は少しも隠さずに、私が尋ねる事をお答えになりますか」
「ああ、どんな事でも。屹度」
「ではお尋ね致しますが、貴方の末のお妹さんは、美紅姫と仰しゃるのですね」