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しらがこぞう

白髪小僧

杉山 萠円

「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页

青空文庫

そうしてその仔細を云えと云えばそのように青くなって顫え上ってしまう。一体どういう訳でそのような妙な事を云ったり為たりするのだ。少しも訳がわからぬではないか。なぜそのように隠すのだ。なぜそのように恐れるのだ。さあ、云え。さあ、返事をしろ。すっかり白状してしまえ」

王はこう云いながら一層鋭く青眼を見つめました。けれども青眼は矢張りその眼をったまま返事をしませぬ。じっとその顔を見ていた王は、やがて莞爾と笑って申しました――

「ハハア、解かった。貴様が隠す訳がわかった。恐れる訳がわかった。隠す筈だ。云えない筈だ。その掟は矢張り嘘の掟だからだ。貴様の先祖から代々貴様までも、根も葉もない作り事をして、俺にこのような貴い有り難い宝物を近づけぬようにして、自分だけ世界一の利口者になろうとしているのだ」

「いえ、決してそんな事は御座いませぬ。悪魔はどうしても悪魔で御座います。何卒何卒王様、私の申す事を……」

と青眼は慌てて口を利きました。

「黙れ。青眼。貴様はどうしても俺を欺そうとする。貴様こそ悪魔だぞ。イヤ悪魔だ。悪魔に違いない。貴様の家は先祖代々云い伝えて、俺のお守役になって、嘘の掟を作って、こんな重宝なものを遠ざけて終いに俺を何にも知らぬ馬鹿者にしようとしたのだ。