轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうせんでんしゃのしゃげきしゅ

省線電車の射撃手

海野 十三

「新青年」博文館、1931(昭和6)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,355 字 · 45 页

青空文庫

「しっかりしろ、暑さよりも生命じゃないか、助役君」

待避線にはガラ空き電車が二組も窮屈そうにつながった。駅は上を下への大騒ぎだった。駅員はもとより、しっかりしていなければならない警官たちまでが、常識を喪ったかのように、意味なく騒ぎまわった。捜査課長大江山警部だけは、眼を真紅に充血させて呶鳴りちらしてはいるものの、一番冷静だった。

第三の犠牲者は三浦糸子と云った。可なり上背のある婦人で、クッションのように軟くて弾力のある肉付の所有者だった。銃丸は心臓の丁度真上にあたる部分を射って、大動脈を破壊してしまったものらしい。第一、第二の犠牲者に比して創口はすこし上方にのぼっているのだった。三人の犠牲者は、いずれも左側の座席に腰を下ろしていたことが判った。そのうえ弾丸の射ちこまれた地点までが、物差で測ったようにピタリと一致していた。大江山警部の頭には、線路を距てて、真暗な林に囲れ立つ笹木邸の洋館が浮びあがってくるのを、払いのけることができなかった。

警部は数名の刑事を手許によんで、一人一人に秘密の命令を耳打ちした。駅員には、上り電車がプラットホームに到着しても、車内に異状を認めない上でないと、乗客出入口の扉を開いてはならないと命令した。