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がらすどのうち

硝子戸の中

夏目 漱石

夏目漱石把自己关在玻璃门后养病,外界只剩单调风景,却总有不速之客闯进来,讲些意想不到的故事。跟着他一起观察这些闲散又生动的瞬间吧。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 52,702 字 · 105 页

青空文庫

二十一

道などになると、昼でも陰森として、大空が曇ったように始終薄暗かった。

あの土手の上に二抱も三抱えもあろうという大木が、何本となく並んで、その隙間隙間をまた大きな竹藪で塞いでいたのだから、日の目を拝む時間と云ったら、一日のうちにおそらくただの一刻もなかったのだろう。下町へ行こうと思って、日和下駄などを穿いて出ようものなら、きっと非道い目にあうにきまっていた。あすこの霜融は雨よりも雪よりも恐ろしいもののように私の頭に染み込んでいる。

そのくらい不便な所でも火事の虞はあったものと見えて、やっぱり町の曲り角に高い梯子が立っていた。そうしてその上に古い半鐘も型のごとく釣るしてあった。私はこうしたありのままの昔をよく思い出す。その半鐘のすぐ下にあった小さな一膳飯屋もおのずと眼先に浮かんで来る。縄暖簾の隙間からあたたかそうな煮〆の香が煙と共に往来へ流れ出して、それが夕暮の靄に融け込んで行く趣なども忘れる事ができない。私が子規のまだ生きているうちに、「半鐘と並んで高き冬木哉」という句を作ったのは、実はこの半鐘の記念のためであった。

二十一

私の家に関する私の記憶は、惣じてこういう風に鄙びている。