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かがくがへそをまげたはなし
科学が臍を曲げた話
海野 十三
「新青年」1934(昭和9)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,453 字 · 9 页
スースー外へ抜けているのですから、いくら放送局で電力を増してみても、地上には少しも応答のないのも無理はありません。超短波は電気天井を抜け、地球の羈絆を切って一直線に宇宙へ黙々として前進しているのです。
「ああ、ちょっと聞き給え、変な電波が聴えるぜ。我が火星にはこんな符号を打つ局はない筈だ、ハテナ?」
というような訳で、この超短波は案外火星あたりで問題にしているのじゃないかと思われます。とにかく超短波の行方不明事件が幸いになって、電波の中には電気天井をスースー抜けるものがあることが判りました。とは云うものの未だに火星からも、
「オイ地球君! 待望の電波を有難う!」
などと云って来ないところを見ると、出奔した超短波の落ちつく先は案外怪しいかも知れないんですが、まだそこまで判っていません。
この超短波をデアテルミーのように、人体に通しますと、癌などに大変効き目のあることが発見されました。これをラジオテルミーと呼んでいますが、デアテルミーよりもずっと効き目が強いのです。この施術の方法は、超短波が盛んに通っている二つの電極の間に、人体の患部を入れるのです。電極というのは金属板で出来ていまして盆のように丸い平べったい板です。