轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいよじげんのおとこ
第四次元の男
海野 十三
「ユーモアクラブ」1940(昭和15)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,156 字 · 18 页
虫の音ばかり、とたんに月は雲間を出でて、月光は水のように流れ、くぬぎ林はほのぼのと幹を露呈してわが眼底に像を結んだ。わかりやすく言えば、月が出て、林が明るくなっただけのこと。
そのときわたくしは、無人の境だとばかり思っていたこの戸山ッ原に、人がいるのを知って、びっくりした。それは、くぬぎ林の中から、急に人間が出て来たのである。人数は二人であった。一人は若い男で、他の一人は若い女であった。
二人は、何か早口で喋りながら、こっちへやってきた。わたくしはそれを見て、少々癪にさわった。そういう気持は、誰にでも判るであろう。わたくしは、わざと意地わるく二人の邪魔になるように歩いていった。若き男女は、わたくしの悪意を間もなく見破って、横にさけるであろうと、わたくしは予想していた。ところが、わたくしが近よっても、二人の男女は、一向にわたくしをさけようとはしないのであった。これには、わたくしも腹を立てて二重に癪にさわったことであった。
そのままわたくしが前進すれば、必ず二人の男女にぶつかるしかない。相手は、あいかわらず一直線に近づいてくる。それを見て、わたくしは、こっちで道をさけようかと思った。