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くさまくら

草枕

夏目 漱石

一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页

青空文庫

「泣きました。ふうん」

「ところが庄屋どのが、聞き入れません。梵論字は聟にはならんと云うて。とうとう追い出しました」

「その虚無僧をかい」

「はあい。そこで嬢様が、梵論字のあとを追うてここまで来て、――あの向うに見える松の所から、身を投げて、――とうとう、えらい騒ぎになりました。その時何でも一枚の鏡を持っていたとか申し伝えておりますよ。それでこの池を今でも鏡が池と申しまする」

「へええ。じゃ、もう身を投げたものがあるんだね」

「まことに怪しからん事でござんす」

「何代くらい前の事かい。それは」

「なんでもよっぽど昔の事でござんすそうな。それから――これはここ限りの話だが、旦那さん」

「何だい」

「あの志保田の家には、代々気狂が出来ます」

「へええ」

「全く祟りでござんす。今の嬢様も、近頃は少し変だ云うて、皆が囃します」

「ハハハハそんな事はなかろう」

「ござんせんかな。しかしあの御袋様がやはり少し変でな」

「うちにいるのかい」

「いいえ、去年亡くなりました」

「ふん」と余は煙草の吸殻から細い煙の立つのを見て、口を閉じた。源兵衛は薪を背にして去る。

画をかきに来て、こんな事を考えたり、こんな話しを聴くばかりでは、何日かかっても一枚も出来っこない。