轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なおこ
菜穂子
堀 辰雄
楡の家 第一部「物語の女」山本書店、1934(昭和9)年11月<br> 楡の家 第二部「文学界」1941(昭和16)年9月号<br> 菜穂子「中央公論」1941(昭和16)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,758 字 · 173 页
私はお前のどんな手きびしい攻撃の矢先にもまともに耐えて立っていようと決心した。で、私は自分に鞭うつような強い語気で云い続けた。「……私は本当のところをいうとね、その御方がいくら一人息子でも、そうやって母親と二人きりで、いつまでも独身でおとなしく暮らしていらしったというのが気になるのよ。なんだか話の様子では、母親に負けているような気がしますわ、その御方が……」
お前はそう私に思いがけず強く出られると、何か考え深そうになって燃えしきっている薪を見つめていた。二人は又しばらく黙っていた。それから急にいかにもその場で咄嗟に思いついたような不確かな調子でお前が云った。
「そういうおとなし過ぎる位の人の方がかえって好さそうね。私なんぞのような気ばかし強いものの結婚の相手には……」
私はお前がそんなことを本気で云っているのかどうか試めすようにお前の顔を見た。お前は相変らずぱちぱち音を立てて燃えている薪を見据えるようにしながら、しかもそれを見ていないような、空虚な目ざしで自分の前方をきっと見ていた。それは何か思いつめているような様子をお前に与えていた。いまお前の云ったような考え方が私への厭味ではなしに、お前の本気から出ているのだとすれば、私はそれには迂闊に答えられないような気がして、すぐには何んとも返事がせられずにいた。