轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふきのしたのかみさま

蕗の下の神様

宇野 浩二

「赤い鳥 第六巻第一号」赤い鳥社、1921(大正10)年1月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,862 字 · 12 页

青空文庫

「その位のことなら、今夜のうちに屹度持って来てやろう。さあ隠れ蓑を返しておくれ」

「おっと、そうは行かない」とクシベシは一層ぐっとコロボックンクルを捉まえている手に力を込めて言いますには、

「それで、よしと言って、お前に隠れ蓑を返してしまったら、それ切りお前が逃げてしまって、帰って来なければそれ迄じゃないか? そんなことで俺を欺そうとしたって……」

「馬鹿なことを言うものじゃない」とコロボックンクルはその時は流石にむっとした声で言いました。「欺すとか、疑ぐるとか言うのはそれは人間同志のすることだ。安心したがよい、私はそんなことはしない。それに、隠れ蓑を返してくれなければ、私は帰る訳には行かないし、そうすればお前に約束の望をかなえてやる訳に行かないじゃないか?」

そう言われて見ると、クシベシもなる程と気が付きましたので、思い切って、コロボックンクルに隠れ蓑を返してやりました。そして、「じゃ、約束のものは後でとどけるよ」と、隠れ蓑を着ましたので、元のように、姿は見えなくて、こう声だけ残して、コロボックンクルが帰って行きますと、クシベシは、さあ、これからは心配なしに遊んで暮せる、と独言を言いながら、ごろりと腕枕をしてその場に寝てしまいました。