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ふきのしたのかみさま

蕗の下の神様

宇野 浩二

「赤い鳥 第六巻第一号」赤い鳥社、1921(大正10)年1月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,862 字 · 12 页

青空文庫

四

五

四

その次の日から、クシベシにはどうしてもしなければならぬ用事が一つ出来ました。というのは、たとえ六俵でもお米の俵が積んであるのですから、今迄のように人に食べ物をもらう訳には行かないのです。それには御飯を炊く薪がなければなりませんので、毎日不承不承ながら、それを取りに出かけるのです。

ところが、どこへ行ってもどこへ行っても、薪が一本もないのです。どんなに早く起きて出かけても、夜のうちに出て行っても、それがどこにもないのです。ない訳はないのですが、例のコロボックンクルが先廻りをして、クシベシの行く先々の薪をみんな取りさらえてしまっておくからなのです。だから、どうかすると、小屋の窓を壊して、薪の代りにしなければならぬようなことになりました。薪ばかりでなく、何か野菜物をと思って畑へ行って見ても、魚を捕ろうと思って川に行って見ても、クシベシが行くとどこにも何一つないのです。何しろ、競争が上手で、悪戯好きなあのコロボックンクルのする仕事なのですから、とてもクシベシにはかなわない訳です。終にはクシベシも泣き顔をして、弱り切ってしまいました。

五

そのうちに、時候の方では何の遠慮もなく、寒い寒い北海道の冬が来ました。