轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はえおとこ

蠅男

海野 十三

「講談雑誌」1937(昭和12)年1月号~10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,129 字 · 237 页

青空文庫

すると、村松検事の犯行でないという証明は、ちょっと困難になるわけだった。

帆村は、水田検事に頼んで、村松にひと目会わせてくれるように頼んでみたけれど、この際のこととて、それもあっさり断られてしまった。

死闘宣言

帆村探偵は、彼をしきりと慰めてくれる正木署長とも別れ、ただひとり附近のホテルに入った。

糸子の泊っている宝塚ホテルへ帰ろうかと思わぬでもなかったけれど、それよりは村松検事の身近くにいた方が、なにか便利ではないかと思ったからだ。

「どうすれば、村松さんを救いだせるだろうか」

冷たい安ホテルの一室の、もう冷えかかったラジエーターの傍に椅子をよせて、帆村はいろいろと、これからの作戦を考えつづけた。だが一向に、これはと思ううまい考えも浮んで来なかった。

そのうちに彼は、コクリコクリと居眠りを始めた。昼間の疲れが、ここで急に出て来たのであろう。

ガタリ。

突然大きな音がして、帆村はハッと眼ざめた。どうやら廊下の方から聞えたらしい。

深夜の怪音の正体は何? 何者かが廊下の窓を破って、ホテルのなかに忍びこんでくるようにも感じられた。

帆村は素早く室内のスイッチをひねって、室内の灯りを消した。