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はなしのたね

話の種

寺田 寅彦

「東京朝日新聞」1907(明治40)年9月~1908(明治41)年10月(不定期88回連載)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,082 字 · 64 页

青空文庫

例えば人形が電灯を持って立っているのならば灯が点ると同時に電灯を高く振りあげる。また柱などに竜や鬼の頭をつけ、夕方が来るとこれが口を開けて電灯を吐き出すような仕掛けになっている。

(明治四十一年三月六日『東京朝日新聞』)

六十五

過失より起る火災

放火や悪戯より起る火災は人の不注意から起る火災に比すればほとんど云うに足らぬ少数であるそうな。米国での統計に拠れば、過去二十一年間に過失から起った火災の損害は金高にして二億六千六百三十四万〇五十八ドルになる勘定だという。電線、落雷、地震、おまけに野火を加えても過失から起るものの数には足らぬそうである。

新しい白熱電灯

近頃トムソン・ボーストン会社で専売特許となった白熱灯の炭素線は純粋な石墨だという。これを作るには、油煙を電炉の中で摂氏三千度に熱したものに或る糊を混じて線状とし、これを四百度に熱して糊を炭化させるのだそうである。(明治四十一年三月七日『東京朝日新聞』)

六十六

黄金の産額

昨年中の世界各地で採掘された黄金の総額は六百七十四トンで、もしこれを集めて一塊とすればザット一丈四方に高さ九尺くらいになる勘定である。