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まめせんすいていのゆくえ
豆潜水艇の行方
海野 十三
「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页
やがて、その日のつかれが一度に出て、春夫は大きないびきをかいて、ねむってしまいました。
青木学士は、そのありさまを、にこにこわらいながら見ていましたが、春夫がすっかりねむってしまうと、彼はひとりで配電盤の前にたち、受話器を頭にかけ、水中聴音機のスウィッチを入れました。そして目盛盤をしきりに右に左にまわしてみながら、なにごとかをうかがっているようでありました。その顔は、しんけんに見えました。
しばらくして、学士が、ほっとためいきをつくのがきこえました。
「もう、よかろう。エデン号は、よほど向うにはなれているから……」
学士は、別のスウィッチを入れました。すると、ごとごとと音がして、ポンプがまわりだしました。それから、しゅう、しゅうと音がして、酸素ガスが鉄管から出てきました。そんなことが三十分ほどもつづいているうちに、室内の毒ガスは、きれいに洗いきよめられてしまいました。
学士は、そこで防毒面をとりました。
「大丈夫だ」
学士は、うなずきました。そしてこんどはよくねむっている春夫少年のそばによって、防毒面をぬがせてやりました。春夫のひたいや、鼻のあたまには、玉のようなあせがふきでていました。