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まめせんすいていのゆくえ
豆潜水艇の行方
海野 十三
「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页
学士は、ハンカチーフを出して、それを念入りにふいてやりました。
「さあ、これでいいだろう。では、こっちもしばらくねむるとしようか」
学士は、ひとりごとをいって、椅子にこしをかけ、配電盤のまえの机に両ひじをつき、顔を腕のうえにのせました。
やがて、学士もまた、ぐうぐうといびきをかきはじめ、ゆめ路をたどったのでありました。
深度零
春夫少年は、ふと目がさめました。なにか大きなもの音をきいたように思いました。毛布から出て、むくむくと起きあがってみますと、青木学士が、潜望鏡にとりついて、うんうん呻っているのです。これにはおどろきました。
「青木さん、どうしたのですか」
「ああ、春夫君か。どうもへんなんだ。潜望鏡が上らなくなったんだ」
「故障ですか」
「故障にはちがいないが、ふつうの故障とはちがう。三センチばかりは、楽にあがるが、あとはどうしてもあがらないのだ」
「ふしぎですねえ」
春夫少年は、小首をかしげて、青木学士のそばへやってきました。学士が、潜望鏡のハンドルをもって、ごっとんごっとんやっているのを、しばらく見ていた春夫少年は、やがてぷっとふきだしました。
「なんだい、笑うなんて」