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まめせんすいていのゆくえ
豆潜水艇の行方
海野 十三
「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页
「ぼくか。ぼくは昇降口のわずかの隙間から外をのぞくのだ。なにが見えるか、のぞいてみよう」
「ああ、あるほど、ぼくは大役ですね」
さあ、たいへんなことになってしまいました。へたをやれば豆潜水艇は、ここでぶくぶくと沈んでしまうかもしれません。春夫少年は、昇降口をひらくハンドルにつきました。
「よろしい、口蓋開き方、はじめ」
「はーい」
栄螺が、そろそろと蓋をもちあげるように、いまこの豆潜水艇は、昇降口の蓋を、そろそろともちあげはじめました。学士は、軽業師が梯子の上へのぼったような恰好をしています。
「あっ、しめろ!」――とたんに学士の命令です。
春夫は、あわてて口蓋を、がたんとしめました。
「島だ、島だ。島へのしあげている。そして……」
学士は、上ずったこえでさけびました。
ふしぎな島?
さすがの青木学士も、よほどおどろいたものとみえ、にぎりこぶしで、とんとんと自分の胸をたたくばかりで、しばらくはあとの言葉がつづけられませんでした。
これを横からみている春夫少年は、気が気ではありません。
「ねえ、青木さん。早く話をしてよ。いま、ぼくに口蓋をあけさせて、青木さんは、いったい、なにを見たの?」