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まめせんすいていのゆくえ

豆潜水艇の行方

海野 十三

「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页

青空文庫

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「よし、大出来だ。早く、あれをかぶせろ」

トニーの号令で、うしろに待っていたタムソン部長たちの一団は、懐中電灯をふって合図をすると、くらやみの中から、大きなトラックが、あとずさりをしてきました。

そのうえには、大なバスの車体がのっていました。ぎりぎりと音がして、もう一台別のトラックの上にしかけてあった起重機(重いものをつりあげる機械のこと)から、鎖のついたかぎがおりてきて、バスの車体をつりあげました。そしてその車体を、豆潜水艇のうえに、すっぽりかぶせてしまったのです。

つまり、そのバスは、ちょっとみると、本物のバスのようですが、じつは、車がついていないもので、いわば箱の蓋ばかりのようなものでありました。

豆潜水艇は、外から見ると、まるでバスのようなかたちになりました。

そのうちに、別のトラックが、ぎりぎりと鎖をくりだして、豆潜水艇を、トラックのうえに引きあげました。これはただのトラックではなく、軍隊でよく使っている牽引車というものと同じで、すばらしい力を出すものでありました。

「よかろう。いそいで、出発しろ」

タムソン部長が命令をくだしたので、豆潜水艇を、バスの車体の中にかくしてつみこんだトラックは、そのまま走りだしました。