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あかつちへくるこどもたち

赤土へくる子供たち

小川 未明

「せうがく三年生」1939(昭和14)年6~12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,075 字 · 33 页

青空文庫

」

「先生、おもしろいですね。」

「おもしろいが、べいなんか、もうよしたまえ。このごろは、みんなでいっしょにたのしんで、そして、勝ち負けをきめるようなおもしろいあそびが、たくさんあるじゃないか。」と、先生は、おっしゃいました。この時分には、先生のお顔は、いつものやさしいお顔になっていました。

「先生よくわかりました。」と、善吉が、いいました。

「わかったか。」

「わかりました。けれど先生につげ口するものなんか、もっとひきょうだと思います。」と、武夫が、いいました。

「つげ口されるようなことをしなければいいのだ。では、もうかえるがいい。」

吉川先生は、立ち上がると、さっさと、ろうかの方へ歩いていかれました。

「黒めがねの紙しばいのおじさんは、ぼく、この話をしたら、辰ちゃんは、自分がけんかができないので、先生にいうなんてひきょうだといったよ。」と、善吉がいいました。

「おじさんは、先生をよく知っているといったね。」

「ああ、おじさんも、日本の子供は、そんとか、とくとかいうことなんか、考えてはいけない。正しいことをしなければならぬといった。」

二人は、階段を下りて、話しながら校門の外へ出たのでありました。