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あかつちへくるこどもたち
赤土へくる子供たち
小川 未明
「せうがく三年生」1939(昭和14)年6~12月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,075 字 · 33 页
二
」
「だいは、いらないけれど、ござがなくては、できないよ。」
こまは土の上では、よくまわらぬからです。勇二は、足に力をいれて、赤土の上をトン、トン、と、ふんでいました。かたくして、そこで、こまをまわそうというのです。
「土の上では、だめだよ、だれか、家にござを持っていない。」と、信一が、いいました。そこへ、また、あちらから一人の少年がかけてきました。
「小山が、きた。」
小山は、かね子さんの兄さんです。
「べいをするのかい。」と、小山が、ききました。
「ござがなくて、こまって、いるんだよ。だれか、ござを、さがしてこないかな。」と、勇二が、いいました。
「私、家へいって、持ってきてあげるわ。」と、かね子さんが、いいました。
「ばか、家にござなんか、ないじゃないか。」と、小山は、かね子さんをにらみました。
二
十日ばかり前のことでした。新緑がすがすがしいしいの木の下で、たたみやが、しごとをしているのを、かね子さんは、立って見ていました。いつか赤いインキをこぼして、お父さんにしかられてすぐインキけしでふいたけれど、どうしても、そのあとがとれなかった茶の間のたたみも、新しい青い草のかおりのする表にかえられました。