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あかつちへくるこどもたち

赤土へくる子供たち

小川 未明

「せうがく三年生」1939(昭和14)年6~12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,075 字 · 33 页

青空文庫

七

」と、善吉が、いいました。

「残されたといわなけりゃ、どっちだっておんなじじゃないか。」

日にまし涼しくなりました。原っぱに立って、だまって空をみあげながら、鳴き声のした方に目をそらすと、黒く小さく、群れをなして、渡り鳥の飛んでいくのが見られました。

ワン、ワン、犬が、ほえています。その方を見ると、いつかおじさんのつれてきた、ジョンでした。

「ジョン、ジョン。」と、善吉が、呼びました。ジョンはかけてきました。そばには、武夫のほかに信一もいました。

「どこの犬なの?」

信一が、ききました。

「いつかどこかのおじさんがつれてきた犬だよ。」と、武夫は、あたりにおじさんがいないかと見まわしました。どうしたのか、おじさんの姿が見えません。

「ジョン、どうしたんだい? ひとりかい。」と、善吉が、いうと、ジョンは、喜んでとびつきました。

「きっと、道をまぐれたんだよ。」

「ぼくたち、どっかへかくれよう、そうしたら、ジョンは、どうするだろうか。」と、武夫が、いいました。

七

「そうだ、いいことがわかった。」

「どんなこと。」

武夫と信一は、善吉の顔を見ました。

「ジョンが、まりをさがしている間に、僕たちはどこかへかくれるのだよ。