轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
のざらし
野ざらし
豊島 与志雄
「中央公論」1923(大正12)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,100 字 · 39 页
」
「あなたはなお変よ!……私達のことをあなたはよく知ってるじゃありませんか。片山はどんな苦しいことがあっても、その苦しみが過ぎ去るまでは決して人に云わない性質なんでしょう。私初めはそれを嫌だと思ったけれど、馴れてみると、その方がいいようですわ。なぜって、考えてもごらんなさい、片山がつまらないことに苦しんでる時――苦しみなんて大抵つまらないことが多いものよ――私まで一緒に苦しんでごらんなさい、家の中はどうなるでしょう? 二人で陰気な顔ばかりつき合してたら、堪らないじゃありませんか。苦しみを二重にするばかりですわ。片山も私もそのことをよく知っているんです。それで片山は、自分に苦しいことがあっても、私には何とも云いませんし、私はまた、出来るだけ晴々とした顔をして、片山の苦しみを和らげてやるんですのよ。でも万一の場合になったら、片山の苦しみが余り大きくなりすぎたら、私にだって、その苦しみの半分を背負うだけの覚悟は、ちゃんとついていますよ。片山もそれはよく知っています。そして私達は互に信頼してるわけですよ。」
そういう二人の生活の調子を、昌作は知らないではなかった。