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のざらし

野ざらし

豊島 与志雄

「中央公論」1923(大正12)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,100 字 · 39 页

青空文庫

「いつか酔っ払っていらした時、私に書いて下すったじゃないの。淋しければっていう題の……。」

「知らないよ。」と昌作はぶっきら棒に云った。覚えてるようでもあれば、覚えていないようでもあったが、何だか心の傷にでも触られるような気がしたのである。

「じゃあ云ってみましょうか。初めの方は覚えていないけれど、最後のところだけちゅうに知っててよ。

吾が心いとも淋しければ、

静けきに散る木の葉!

あわれ日影の凹地へ

表か?……裏か?……

明日知れぬ幸を占うことなかれ。