轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

と声をかけて見た。「どなた」と奥から云うのは先生自身である。

「私です。高柳……」

「はあ、御這入り」と云ったなり、出てくる景色もない。

高柳君は玄関から客間へ通る。推察の通り先客がいた。市楽の羽織に、くすんだ縞ものを着て、帯の紋博多だけがいちじるしく眼立つ。額の狭い頬骨の高い、鈍栗眼である。高柳君は先生に挨拶を済ました、あとで鈍栗に黙礼をした。

「どうしました。だいぶ遅く来ましたね。何か用でも……」

「いいえ、ちょっと――実は御暇乞に上がりました」

「御暇乞? 田舎の中学へでも赴任するんですか」

間の襖をあけて、細君が茶を持って出る。高柳君と御辞儀の交換をして居間へ退く。

「いえ、少し転地しようかと思いまして」

「それじゃ身体でも悪いんですね」

「大した事もなかろうと思いますが、だんだん勧める人もありますから」

「うん。わるけりゃ、行くがいいですとも。いつ? あした? そうですか。それじゃまあ緩くり話したまえ。――今ちょっと用談を済ましてしまうから」と道也先生は鈍栗の方へ向いた。

「それで、どうも御気の毒だが――今申す通りの事情だから、少し待ってくれませんか」

「それは待って上げたいのです。