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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

六

敏捷にせんと、卒業してから困るからな」

「そうよ。文学士のように二十円くらいで下宿に屏息していては人間と生れた甲斐はないからな」

高柳君は勘定をして立ち上った。ありがとうと云う下女の声に、文芸倶楽部の上につっ伏していた書生が、赤い眼をとろつかせて、睨めるように高柳君を見た。牛の乳のなかの酸に中毒でもしたのだろう。

六

「私は高柳周作と申すもので……」と丁寧に頭を下げた。高柳君が丁寧に頭を下げた事は今まで何度もある。しかしこの時のように快よく頭を下げた事はない。教授の家を訪問しても、翻訳を頼まれる人に面会しても、その他の先輩に対しても皆丁寧に頭をさげる。せんだって中野のおやじに紹介された時などはいよいよもって丁寧に頭をさげた。しかし頭を下げるうちにいつでも圧迫を感じている。位地、年輩、服装、住居が睥睨して、頭を下げぬか、下げぬかと催促されてやむを得ず頓首するのである。道也先生に対しては全く趣が違う。先生の服装は中野君の説明したごとく、自分と伯仲の間にある。先生の書斎は座敷をかねる点において自分の室と同様である。先生の机は白木なるの点において、丸裸なるの点において、またもっとも無趣味に四角張ったる点において自分の机と同様である。