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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

十

「なぜ皆さんのいらっしゃる所へ出ていらっしゃらないのでしょう」

「損だね、ああ云う人は。あれで一人じゃやっぱり不愉快なんだ。不愉快なら出てくればいいのになおなお引き込んでしまう。気の毒な男だ」

「せっかく愉快にしてあげようと思って、御招きするのにね」

「今日は格別色がわるかったようだ」

「きっと御病気ですよ」

「やっぱり一人坊っちだから、色が悪いのだよ」

高柳君は往来をあるきながら、ぞっと悪寒を催した。

十

道也先生長い顔を長くして煤竹で囲った丸火桶を擁している。外を木枯が吹いて行く。

「あなた」と次の間から妻君が出てくる。紬の羽織の襟が折れていない。

「何だ」とこっちを向く。机の前におりながら、終日木枯に吹き曝されたかのごとくに見える。

「本は売れたのですか」

「まだ売れないよ」

「もう一ヵ月も立てば百や弐百の金は這入る都合だとおっしゃったじゃありませんか」

「うん言った。言ったには相違ないが、売れない」

「困るじゃござんせんか」

「困るよ。御前よりおれの方が困る。困るから今考えてるんだ」

「だって、あんなに骨を折って、三百枚も出来てるものを――」

「三百枚どころか四百三十五頁ある」