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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

受合う。とおっしゃるものですから、それで私も安心して御用立て申したので――今になって御違約でははなはだ迷惑します」

道也先生は黙然としている。鈍栗は煙草をすぱすぱ呑む。

「先生」と高柳君が突然横合から口を出した。

「ええ」と道也先生は、こっちを向く。別段赤面した様子も見えない。赤面するくらいなら用談中と云って面会を謝絶するはずである。

「御話し中はなはだ失礼ですが。ちょっと伺っても、ようございましょうか」

「ええ、いいです。何ですか」

「先生は今御著作をなさったと承わりましたが、失礼ですが、その原稿を見せていただく訳には行きますまいか」

「見るなら御覧、待ってるうち、読むのですか」

高柳君は黙っている。道也先生は立って、床の間に積みかさねた書籍の間から、厚さ三寸ほどの原稿を取り出して、青年に渡しながら

「見て御覧」という。表紙には人格論と楷書でかいてある。

「ありがとう」と両手に受けた青年は、しばしこの人格論の三字をしけじけと眺めていたが、やがて眼を挙げて鈍栗の方を見た。

「君、この原稿を百円に買って上げませんか」

「エヘヘヘヘ。私は本屋じゃありません」

「じゃ買わないですね」