轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ながさきのかね

長崎の鐘

永井 隆

「長崎の鐘」日比谷出版、1949(昭和24)年1月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,109 字 · 131 页

青空文庫

うとうとと浅きまどろみの夢もいつか白みゆく雨戸の隙間。

「カーン、カーン、カーン」

鐘が鳴る。暁のお告げの鐘が廃墟となった天主堂から原子野に鳴りわたる。市太郎さんが岩永君ら本尾の青年を指図して煉瓦の底から掘り出した鐘は、五十メートルの鐘塔から落ちたのにもかかわらず、ちっとも割れていなかった。クリスマスの夕にようやく吊り上げて、岩永君らが朝昼晩、昔ながらの懐かしい音を響かせる。

「主のみ使いの告げありければ……」誠一も茅乃も跳ね起きて毛布の上に座り、お祈りをささげる。

「カーン、カーン、カーン」澄みきった音が平和を祝福してつたわってくる。事変以来長いこと鳴らすことを禁じられた鐘だったが、もう二度と鳴らずの鐘となることがないように、世界の終わりのその日の朝まで平和の響きを伝えるように、「カーン、カーン、カーン」とまた鳴る。人類よ、戦争を計画してくれるな。原子爆弾というものがある故に、戦争は人類の自殺行為にしかならないのだ。原子野に泣く浦上人は世界に向かって叫ぶ。戦争をやめよ。ただ愛の掟に従って相互に協商せよ。浦上人は灰の中に伏して神に祈る。ねがわくば、この浦上をして世界最後の原子野たらしめたまえと。